その頃、消防だった私は夏休みに父親にカブトムシを捕まえに連れてってと連日くどいほど頼んでいた。
私が住んでいたところはかなりの田舎でコンビニなどもちろんなく普段の遊びといえば山で基地作ったり川で魚捕まえたりしかすることのないほどの自然しかない田舎だ。
早朝って言っても辺りはまだ暗く懐中電灯がなければ何も見えない。
でも、私はカブトムシを早く捕まえたくさっそく父親の手を引っ張り山の中へ入っていった。
本当にたくさんカブトムシがいたのですごくテンションがあがりこんな場所を知っている父親を尊敬した。
たくさんのカブトムシを捕まえ満足したので下山することにした。
その下山中に奇妙なことが起こった。
私の手を引っ張り走って山をおりだした。
私は訳が分からず父親に『とーちゃん。何で走るの?』と聞いたが父親は『黙れ!!』としか言わなかった。
出発する際、父親がタバコを一本置いていきました。私は『とーちゃんタバコ落ちたよ』と言いましたが父親は『落ちたんじゃなくて置いたんだよ。じゃあ帰るか。』と言いましたが私は置いた意味が分かりませんでした。
父親は『いよいよまずい事になったな。』みたいなことを言っていた気がします。
父親はギュッと私の手を握り『絶対に手を離すなよ。何があってもとーちゃんが守ってやるからな。』と言いました。
私は何が起こっているのか理解していなかったので『うん。大丈夫だよ』と笑ってたと思います。
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