1: カブトムシ 2014/12/27(土)14:42:38 ID:???
※怖かった。甘い匂いが特に。




2: カブトムシ 2014/12/27(土)14:52:23 ID:???
今から15年ほど前の話。
その頃、消防だった私は夏休みに父親にカブトムシを捕まえに連れてってと連日くどいほど頼んでいた。




3: カブトムシ 2014/12/27(土)14:57:37 ID:???
根負けした父親は父親の休みの日に車でカブトムシがたくさんいるであろう山へ連れていってくれた。
私が住んでいたところはかなりの田舎でコンビニなどもちろんなく普段の遊びといえば山で基地作ったり川で魚捕まえたりしかすることのないほどの自然しかない田舎だ。




4: カブトムシ 2014/12/27(土)15:16:11 ID:???
ただでさえ田舎なのに連れていってもらった山はそれ以上に田舎。それ以上田舎って文章にすると伝わりにくいが周りは山しかなく民家も一軒もない虫の音しか聞こえない静かすぎて気味が悪いと思う様な田舎。
早朝って言っても辺りはまだ暗く懐中電灯がなければ何も見えない。
でも、私はカブトムシを早く捕まえたくさっそく父親の手を引っ張り山の中へ入っていった。




5: 名無しさん@おーぷん 2014/12/27(土)15:19:13 ID:???
包まれた話じゃないのか




6: カブトムシ 2014/12/27(土)15:29:25 ID:???
かなり山を登ったところに目的地に到着した。
本当にたくさんカブトムシがいたのですごくテンションがあがりこんな場所を知っている父親を尊敬した。
たくさんのカブトムシを捕まえ満足したので下山することにした。
その下山中に奇妙なことが起こった。



7: カブトムシ 2014/12/27(土)15:37:52 ID:???
下山している時に聞いたことのない生き物の鳴き声を聞いた。父親に『今の何?』と聞いたら『狐だろう』とのこと。その時甘い匂いがした。その匂いをかいたであろう父親が露骨に慌てだした。
私の手を引っ張り走って山をおりだした。
私は訳が分からず父親に『とーちゃん。何で走るの?』と聞いたが父親は『黙れ!!』としか言わなかった。




8: カブトムシ 2014/12/27(土)16:25:14 ID:???
いい加減疲れたので私はぐずりだした。半泣きで『もう走れない』とか言ってた気がします。気がつくと甘い匂いはしませんでした。父親も『少し休むか』といい少し開けた場所で休憩しました。
出発する際、父親がタバコを一本置いていきました。私は『とーちゃんタバコ落ちたよ』と言いましたが父親は『落ちたんじゃなくて置いたんだよ。じゃあ帰るか。』と言いましたが私は置いた意味が分かりませんでした。




9: カブトムシ 2014/12/27(土)16:51:35 ID:???
再び下山していると先ほどの鳴き声と甘い匂いがしてきました。今回はそれにあわせ白い靄?霧?も周りに立ち込め始めました。
父親は『いよいよまずい事になったな。』みたいなことを言っていた気がします。
父親はギュッと私の手を握り『絶対に手を離すなよ。何があってもとーちゃんが守ってやるからな。』と言いました。
私は何が起こっているのか理解していなかったので『うん。大丈夫だよ』と笑ってたと思います。

10: 名無しさん@おーぷん 2014/12/27(土)17:55:47 ID:???
パパ何者だ?




14: カブトムシ 2014/12/28(日)11:43:53 ID:???
父親は寺生まれのTさんではなかったので随分前に亡くなっています。
立ち込める霧?靄?の中を必死で下山していると、開けた場所へ出たのでまた、休憩することにしました。
私は疲れていたので休憩できることを喜んでいましたが父親の様子はかなり焦っていました。




15: カブトムシ 2014/12/28(日)11:52:34 ID:???
休憩も程々にし再出発する時に父親がまた、タバコを一本置いていきました。私は父親がタバコを置いた意味がやっと分かりました。
タバコが2本になっていたのです。




16: カブトムシ 2014/12/28(日)12:10:58 ID:???
私は『とーちゃん。さっきもここに来たね。』と言ったら父親は『とーちゃん道間違えたみたいだなぁ』と言いましたが顔は全く笑っていませんでした。
しばらく下山している時に父親が腕時計を頻りに気にしていました。
思い返してみれば、かなり歩いているので夜が明けていてもおかしくありません。
いまだに周りは真っ暗で霧?靄?が立ち込めたままです。



17: カブトムシ 2014/12/28(日)13:00:50 ID:???
しばらくするとまた、開けた場所へ出ました。もう分かると思いますが先ほど休憩した場所です。父親がタバコを置くと同時に私と同じ目線までかがみ『いいか。これは狐に摘ままれたと言うんだ。とーちゃんが子供のころ同じ体験をしたんだ。』




18: カブトムシ 2014/12/28(日)13:05:13 ID:???
続き。『○○→私の名前のじーちゃんに助けてもらった。だからとーちゃんが助けてやるからな。』と頭を撫でながら言いました。
私は『うん。とーちゃん大好き。』と父親の顔を見たら父親の顔が明らかにこの世のものとは思えない形をしていました。




19: カブトムシ 2014/12/28(日)13:08:32 ID:???
在らぬ方向へ首が曲がり目も全てが黒目でした。何か話していましたが言葉も分かりませんでした。そこで私は気を失ってしまいました。




20: カブトムシ 2014/12/28(日)13:13:36 ID:???
意識を取り戻すと自宅にいました。真っ先に父親のことが心配で様子を見に行きました。




21: カブトムシ 2014/12/28(日)13:15:08 ID:???
見てくれている方いますか?




22: カブトムシ 2014/12/28(日)13:40:27 ID:???
まぁ吐き出したいだけなので勝手に書いていきます。
父親は普通でした。顔もいつも通りで安心しました。私が『どーやって帰ってきたの?』と聞いてもはぐらかすだけで答えてくれません。




23: カブトムシ 2014/12/28(日)13:49:10 ID:???
私は答えを聞くことを諦めました。
しかし1つだけ妙に気になることがありました。父親から山で嗅いだ甘い匂いがしたのです。とても気になりましたが何故か恐くて聞けませんでした。





24: カブトムシ 2014/12/28(日)13:56:44 ID:???
そのまま夏休みが終わりしばらくこれといって不思議なことも起きずに生活していました。
山へ行ってから2ヶ月ほど経ったある日に家で母親といた時にあの甘い匂いがしてきました。
私は『かーちゃん。この甘い匂い何?』と聞きましたが母親は『何も匂いしないけど。』と言われました。




25: カブトムシ 2014/12/28(日)14:01:29 ID:???
その夜、家に警察から電話がきました。
父親が事故にあいあまり状態が良くないとのことでした。
母親と病院へ行った頃には父親はすでに亡くなっていました。
こんな体験をしましたので今でも甘い匂いが恐くてたまりません。